聖ビーストテイマー・ナタ58
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十五歳になったあの日、全てが変わってしまった事を二人はそれとなく悟りました。

 

「子供部屋が別々になる前までルークの事は信頼してたから、無理やりキスされてからは怖くて、ちょっと避けてたのはごめんなさい」

 

「やっぱり避けられてたんだ…」

 

「女の子になってからは怖くなくなったんだけど、なんか変な感じなの…」

 

「うーん、僕が本物の女じゃないからかな?ちゃんと生命創造の魔法も使える体になってるんだけど」

 

「前のルークの方が良かったのに…って思うようになって、どうしたら戻せるのかな?ってずっと悩んでたの」

 

「ジュリーの話を聞いた感じはローラが僕にキスしないと戻らないみたいだけど…」

 

「キスして元に戻るんなら…。一回だけよ?」

 

「真実の愛だから、ただのキスじゃダメかも?本気で好きになってないと戻らないと思うわ」

 

「そんな…!ルークは永遠に男の体には戻らないって事?」

 

「うん、僕の読んだ魔導書には愛した者の魂の性別が変わった場合は変身が解けるって書いてあったけど、それってローラの魂が女になってないとダメって事だと思う」

 

「面倒くさい魔法をかけちゃったのね…」

 

「僕はローラに嫌われたら生きてる意味がないんだ。だから女の子になってローラに好きでいて欲しかった…」

 

「こんな一途な男の子見た事ないわ」

 

ジュリーが感心しています。

 

「でも私、どうしてもルークの事、友達としか思えなくて…。ごめんなさい!」

 

「ローラに嫌われても僕の気持ちは変わらないよ」

 

「確か性転換魔法って男でも子供を産めるようになるから、子孫を残したくて自分の遺伝子を自分で取り込んで、自分の分身を産み出す為に作られたって聞いたわ」

 

「ジュリーは流石、魔術に詳しいね」

 

「私のパパでも使えなかったのよ?それでママを使って遺伝子を残そうとしたみたいね」

 

…つづく

説明
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第58話。
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