奥歯に物が挟まったような物言いでルークは答えます。

「こんな事、話したら…絶対に怒られるから話せないよ？」

「怒ったりしないと誓うよ？君がアウローラに酷い事はしていないとわかっているからな…」

「なんでわかるんですか？」

「アウローラの態度を見ていたらわかるよ？」

「おじさんは剣士だからオーラは見えないはずですよね…」

「うーん、相手が悪人だったらなんとなくわかる時はあるよ？」

「ヴィッキーも格闘家なのにオーラが見えてるのか？って思うくらい見抜いてたけど…」

「ナターシャやアーク殿のようにハッキリ見えてるわけではないけどね。見えるような気がする事はある」

「それじゃ一昨日の晩ローラの様子は何かおかしくなかったですか？」

「私がそれについて質問をしてるのだが…。質問に質問で返されても困るよ？」

「おじさんならもしかしたら見抜けるんじゃないかと思って…」

「一昨日は私も帰りが遅かったし、アウローラとは風呂上がりにおやすみの挨拶を交わしただけだったな」

「その時、なんかローラの様子が変じゃなかったですか？」

「一昨日の晩は特にアウローラにはおかしな点はなかったと思ったが…。その時から何かあったのかな？」

「一昨日僕とヴィッキーが対決して僕が負けたんです」

「試合の結果だけは見せてもらったけど、接戦だったようだね。応援に行けなくて残念だったよ」

「一昨日も早退して見に来れば良かったのに、ヴィッキーはめちゃくちゃ強かったよ？」

「そんな私用では早退の許可は降りないよ？」

…つづく