聖ビーストテイマー・ナタ127
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ゲイザーは魔術師たちとスラム街の地下室までやって来ました。

 

「魔法は使わねぇって聞いてたのに!話が違うぜ?こんなの一日一万じゃ割に合わねぇよ…」

 

「痛ててててて…。ああ、大火傷だぜ?治療費も請求したいくらいだ」

 

「あの娘には魔力がほとんど感じられなかったはずだが…。確か格闘家ではなかったのか?」

 

恐る恐る地下室に降りるとバチバチと光を発する結界が張られていました。

 

「うーむ、見た感じ光属性の結界だな。しかしあの娘のオーラはどう見ても闇属性だった…」

 

「結界石を使ったのか?だとしてもこんな強力な結界を張れる結界石は何千万…、下手したら何億もするぞ!」

 

「そんな高価な物を娘に持たせた記憶はありませんが、なんとなく心当たりはあります」

 

「結界を破る方法が全くわからん。普通の破邪の結界ではなさそうだ。まさかオリジナルの結界の印を作れる結界師がいたのか?」

 

ゲイザーはなんとなく結界に手を当ててみました。そのままスッと中に入ってしまいます。魔術師が真似して手を当てるとバチッと結界に弾かれました。

 

「なぜゲイザーだけ素通り出来たんだ?」

 

「破邪の結界なら光属性の者は通過可能のはずだ。しかし奴も闇属性だった…」

 

「闇属性に通過可能ならば、我々も通過できるはずだろう?一体、どうなってるんだ…」

 

「こんな結界は見た事がない!これを作った結界師を探してスカウトしなくては…」

 

結界の中ではローラがガタガタ震えながら、隅っこで縮こまっていました。ゲイザーはローラを優しく抱き締めます。

 

「お父さん、助けに来てくれたの?」

 

「怖かっただろう?もう大丈夫だ。すぐに誰かが助けに来るよ。ナターシャに言霊を送ったから」

 

「あの結界、悪い奴らを全部吹き飛ばしたのにお父さんは平気だったの?」

 

「理由はわからないが通り抜けられた。この中にいれば安全な気がするよ」

 

「ルークにもらった結界石、大事にしようと思ってたのに壊しちゃった…」

 

「それで良かったんだよ?ローラの身を守る為に持たせてくれていた物なのだから」

 

「すごく綺麗だからお気に入りだったのに…」

 

…つづく

説明
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第127話。
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