聖ビーストテイマー・ナタ128
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ルークはアラヴェスタの街を探し回った後、城に戻りましたが、受付は定時で閉まっていたので、仕方なく徒歩で帰宅します。通勤に便利なので城のすぐ近くに住んでいました。

 

「お父さん、もう帰ってたんだ…?大変なんだよ!ローラが…」

 

「ゲイザーが敵に捕まったようだな」

 

「お母さんはどこに行ったの?」

 

「奥の部屋にいる。ゲイザーに言霊でどこにいるのか詳しく聞いてるところだ」

 

アークの髪と目の色がみるみる黒く染まってゆきます。

 

「僕の身内に手を出すな!と釘を刺しておいたのに…。今日の僕は機嫌が悪いよ?」

 

「お父さん、オーラの色が黒く変わってる…」

 

「至福の時を邪魔されたんだ。あいつらを許せない…」

 

「僕もローラの身に何かあったら許せそうにないよ?」

 

「はぁ…、また破壊の衝動が強くなってきた」

 

ナタが奥にある夫婦の部屋から出て来ました。アークが闇属性に変わっているのを見て驚きます。

 

「アーク、どうしたの?真っ黒になってるじゃない!」

 

「いや、大した事じゃない。たまにこうなるんだ。ミカエルだって今は闇属性じゃないか?」

 

「スラム街は入り組んでて言霊だけではわかりづらいから現地に行きましょ?」

 

「心眼で探すにしてもある程度、絞り込んだ方が早いからな…」

 

集合住宅から出るとアークは背中からコウモリの翼をバサッと広げました。

 

「翼まで変わってるんだけど…」

 

「今まで人間のフリをする為に隠していただけだよ?」

 

「人間になったんじゃなかったの?」

 

「人間になろうと努力したがなれなかった…」

 

「空から探す方が便利で良いけど、おじさんがいるのは地下室みたいなのよ…」

 

…つづく

説明
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第128話。
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