聖ビーストテイマー・ナタ135
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ゲイザーは書類を金庫に仕舞うとソファーをベッドの形に広げて棚から毛布を取り出すと広げました。

 

「今夜はここに泊まると良いよ?アーク殿の許可は取ってあるから、風呂も自由に使ってくれたら良いからね」

 

「わかりました。叱られるのかと思ってたけど怒ってないみたいで安心した…」

 

「私が怒るような事を君は何もしていないだろう?なぜそう思った…」

 

「僕が勝手な事したから、こんな事になってしまったし…」

 

「何度も言うようだが、この事件は私の父上が最初に関わった事だから、本来なら息子の私がその後始末をすべきだったんだ」

 

「悪い奴がのさばって、私腹を肥やしてるのが許せなかったんだ。おじさんやお父さんは安月給でこき使われてるのに…」

 

「やりたい事をやっているなら安月給でこき使われているとは感じないよ」

 

「僕、今日はたくさん馬車を使ったけど、おじさんも馬車をよく使うからお金大丈夫なの?」

 

「ハハハ!仕事で使った場合はあとで経費で落ちるんだよ」

 

「そうなんだ!僕、まだ大人の世界の事、全然知らないや」

 

「君が大人になったら、きっと立派な結界師になって、こんな値段では結界石を買えなくなるだろうね?」

 

「第一級魔術師試験に受からなかったら無資格になるから、あの結界石では十万も取れないと思うけど?」

 

「うむ、資格があるだけで資格がない者とは待遇の差が著しく異なるからな…」

 

「それなのに実力もない奴を裏口入試で合格にするなんて、大人の世界は汚いなぁって」

 

「君が試験を受ける時までにはこの件は解決したいと思っているよ?」

 

「うん、そうしないと例えば他の結界師が不良品を売り付けたりしたら、僕の結界石の価値まで下がっちゃうんだよ」

 

「確かにそうだね。君の結界石が優れた性能なのは身をもって体感したからわかっているよ」

 

「他の奴らに不良品を売り付けまくられたら、僕の結界石が値切られて十万でも売れるか自信ない…」

 

…つづく

説明
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第135話。
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