聖ビーストテイマー・ナタ145
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翌朝、食卓でルークがマフィンをかじっていると、ナタにミカエルのカードを渡されました。

 

「このカード、おじさんに返さないとダメなのよ。ローラに渡しておいてくれる?」

 

「お母さんが届けに行けば良いじゃないか…」

 

「おじさんも私も休日出勤で、休みがほとんど取れないから渡しに行く暇がないのよ?」

 

「そうなんだ。そう言えば休日いない事が多かった気がする…」

 

「ルークが小さかった頃は週末休んでたけど、アカデミー通い始めたらお金に余裕がなくなってきて、そうもいかなくなって」

 

「うーん、僕も早く卒業して働きたいなぁ…」

 

「私もあなたくらいの歳の頃はそう思ってたけど、アカデミーなんてあっという間に終わるから、気が付いたら大人になってて子供に戻りたくなるわよ」

 

ルークはミカエルのカードをナタから受け取るとポツンと呟きました。

 

「やっぱりお金はおじさんに返した方が良いかな」

 

「おじさんからお金を借りてたの?」

 

「ううん、結界石を納品したんだけど、なんだかおじさんにすごく悪い事をしてしまった気がするんだ…」

 

「あの結界石なら、安くても二千万くらいで売れると思うけど、いくらで売ったのよ?」

 

「無資格の僕がそんなにお金をぼったくったら騎士団に捕まっちゃうよ?」

 

「そう、でもおじさんが納得して買ったんなら良いんじゃない?あのドケチなおじさんが高価なものを買うなんて珍しいんだから」

 

アカデミーに登校するとローラにミカエルのカードを渡そうか迷いました。届けに行ったついでに解約の件を話そうと思ったからです。

 

「ルーク、それってミカエルのカードじゃなぁい」

 

「リリム姉さん、また来てたんだ…」

 

「勇者様が自分よりローラを護衛してって言うから来たのよぉ」

 

「じゃあ僕のところにいないでローラのところへ行けよ?」

 

「冷たいわねぇ。それよりそのカード、どこかに捨てちゃわなぁい?私、ミカエルとは相性が悪くて一緒に召喚したら反発しちゃうのよぉ」

 

…つづく

説明
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第145話。
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