聖ビーストテイマー・ナタ147 |
アラヴェスタ城の休憩室でアークが頭を抱えています。
「ナタが言霊に返事しない…。どうしていつも僕を無視するんだ!ああ、イライラする」
「ルシファーの奴、また髪を黒く染めたのか?議長やってた頃みたいにピリピリしてる」
「奥さんと上手くいかなくなると染めてるみたいだな」
「上の連中からルシファーは怒らせるなって釘を刺されてるけど、そんな怖い奴には見えないんだよなぁ」
「んだんだ。奥さんの尻に敷かれてるだけだしな」
何も知らない下っ端議員たちが噂話をしていました。一部の上位職の者しかアークの怖さを知らないからです。帰宅するとナタに強い口調で尋ねました。
「今から帰るって言霊を送ったのに、なぜ返事もしないんだ!」
「それ、返事する必要ある?私も仕事中で忙しかったのよ」
「ルークは毎日言霊を送ってるが、ローラは全部返事してるみたいだぞ?」
「女子高生の頃は暇だから、私だってあの頃はちゃんと返事してたでしょ!恋愛が一番大事な時期はもう終わったの」
「結婚して十年以上も経つと愛が冷めるものなのか?」
「別に冷めてなんかいないけど、愛し方が変わるだけよ?」
「ゲイザーの言霊には真剣に返事をしていた癖に…。ナタはゲイザーの事をまだ愛してるんだろう?」
「今は愛してないわ。昔は好きだったけど…」
「嘘だ!今でもゲイザーを愛してると感じた」
「それで機嫌が悪かったの?おじさんの事はもう過去の思い出なのよ」
「僕はナタの心を完全には奪えていない気がするんだ」
「魔法でも使わないと心なんて簡単に奪えないわよ?」
「魔法なんかじゃ本当の心は奪えない!僕なら魔法で作られた愛なんて、すぐに壊せる」
…つづく
説明 | ||
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第147話。 | ||
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