聖ビーストテイマー・ナタ155
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ルークは自分の部屋に戻ると日課のトレーニングを始めました。

 

「大人になったら…絶対にお父さんに勝つ!」

 

十分間で二百回の腹筋を終了すると今度は背筋を始めました。同じ頃、ゲイザー邸ではフラウがストレッチをしています。

 

「お母さん、いつもその体操してるね?」

 

「十歳の頃からフォン様に仕込まれてたから、やらないと気持ち悪くて…」

 

「私も十歳から体術の訓練やってたら、お母さんみたいに強くなれたのかなぁ」

 

「うーん、あまり女が強過ぎると男の子に嫌われちゃうでしょ?こんなに私の事を鍛えたフォン様をずっと恨んでたわ…」

 

「私もヴィッキーくらい強くなりたいの…。この前みたいに悪い奴らに捕まった時とかに戦えるように…」

 

「魔術師連盟もアウローラじゃなくて私を拐えば良いのに…。そしたらゲイザー様が私を救いに来てくださって…。キャッ!」

 

フラウは何やら妄想して顔を赤らめています。

 

「お母さんは強過ぎて魔術師連盟の人も拐うのが難しいから私を狙ったんでしょ?」

 

「そうなのよね…。夢の中では簡単に拐われてゲイザー様が助けに来るのに…」

 

「なんだかお母さん、拐われたいって思ってるようにしか見えない…」

 

ゲイザーは邸の裏庭で素振りの訓練をしていました。素振りが終わるとリリムが纏わり付きます。

 

「リリムさん、こんなところを妻に見られると誤解されますので離れてください…」

 

「今夜はフルムーンだから魔族がムラムラしちゃう日なのよぉ。しかも今日は一年で一番月が大きく見えるスーパームーンだしぃ」

 

「そう言えば妙に月明かりが眩しいと思いました」

 

「使い魔はご主人様には逆らえないんだから、エッチな命令しても大丈夫よぉ」

 

「さて、風呂で汗を流して来とするか…」

 

「あーん、勇者様のい・け・ずぅ!」

 

ゲイザーは聞こえないフリをして裏庭から邸に帰ろうとします。リリムが風呂までついて来ようとしたのでゲイザーはカードを取り出しました。

 

「申し訳ありませんが、カードの中で大人しくしててもらえますか?」

 

「パパもルークもカードに閉じ込められてないのになんで私だけ…。酷くなぁい?」

 

…つづく

説明
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第155話。
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