ゲイザーがお風呂に入っている間、リビングで待つと言う約束をして、リリムはソファーに体育座りをしていじけていました。

「リリム、どうしたの？元気ないわね…」

「フラウ！勇者様が…」

「また誘惑して断られちゃったのね」

「テンプテーションも全然効かないしぃ」

「ゲイザー様はナターシャちゃんのチャーミングの魔法を破った事があるから効かないのよ」

「ミカエルとはこっそり会ってる癖にぃ」

「ミカエル様ってアークの上司だったわよね？天界におられるのにどうやって会いに行くの」

「ミカエルは十五年前からずっと勇者様と一緒にいるわよぉ？」

「えっ…それってどう言う事？」

「フラウはミケーラがミカエルだって気付いてなかったのぉ？」

「ゲイザー様はどうして私にはその事を隠してたの？こっそり浮気してたなんて許せない…」

「きゃっ！修羅場の予感…」

「ミケーラさんと夜の街で会ってたのは知ってるんです…」

「あの二人、ただならぬ関係よぉ？」

「私も怪しいと思ってゲイザー様を問い詰めても、ミケーラさんは男の人だからって言い訳されて…」

「ミカエルの本名はマイケルだもん！スペルは同じで発音だけ変えてるのよぉ」

リリムに唆されて、フラウは脱衣所のゲイザーの議員の服の内ポケットに入っていたミカエルのカードを取り出しました。

「本当にミカエル様のカードだわ。名前のスペルもミケーラさんと同じになってるし…」

「どっか遠くに捨てちゃいましょ？ミカエルでも簡単に逃げられない場所にぃ」

…つづく