聖ビーストテイマー・ナタ203
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アークが家に帰るとナタが魔獣と一緒にソファーで戯れていました。純白の毛並みで縞模様のない虎のような獣ですが、まるで大きな猫のようです。

 

「家の中で召喚するのは反対だよ?毛が散らかる」

 

「あれ…アークも猫好きじゃなかったっけ?」

 

「それはどう見ても猫じゃない」

 

「買取の家で良かったわ。借りてる家だと大抵ペット禁止になってるし…」

 

「この家は僕の名義なのだが…」

 

「この家でペット禁止って言うなら別居しても良いわよ?」

 

「それは僕がすごく困る…」

 

ナタがお風呂に入ってる間アークが頭を抱えていると、魔獣が慰めるように前足を肩にポンと置きました。

 

「なかなか気の強い嫁のようだな?」

 

「ああ、僕の言いなりには絶対ならない」

 

「お前があの嫁を選んだ理由がわかるような気がするよ?」

 

「そうか…。お前にもナタの魅力がわかるのだな」

 

「あんなビーストテイマーは初めて見たよ?」

 

「お前とは気が合いそうだよ?」

 

「まあ、悩みくらいなら我が聞いてやるから、嫁と喧嘩したら愚痴でもこぼすが良い…」

 

「ううっ…魔獣に同情されるなんて屈辱的だ」

 

隣の部屋のリリーがベビーベッドで泣き始めたので、アークが高い高いしようとすると、余計に大きな声を張り上げて泣き喚きました。

 

「弱ったな…。ルークはこんなに泣かなかったのだが、どうしたものか…」

 

「我に任せよ?子供の扱いは慣れておる」

 

魔獣は赤ん坊を口に咥えました。リリーはピタッと泣き止んでキョトンとしています。絨毯の上に降ろすとペロペロ舐めて、リリーは笑い始めました。モフモフなお腹にへばり付きます。

 

「この魔獣はベビーシッターとして使えそうだな」

 

…つづく

説明
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第203話。
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