聖ビーストテイマー・ナタ225
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二千百五十年前、魔界。天界の者に足を切断されたリリスを小屋に残して、ルシフェルは仕事に出かけます。地獄の王ヤマに雇われたので、魔界の見回りをしていました。夕方に小屋に帰って来ると、リリスはボロボロにされて泣いていたのです。

 

「リリス!酷い…。誰がこんな事をしたんだ?許せない…」

 

「ルシフェル、お願い…。私を殺して…」

 

「何を言ってるんだ…。僕が君を殺せるわけがないだろう?そんなお願い聞けない」

 

「もう生きていたくないの…。私のお腹には誰の子供がいるかわからないわ!」

 

「僕の子供に決まってるだろう?だから死にたいなんて考えないでくれ…」

 

「あなたに抱かれる前にも何度も襲われてたのよ!あなたが私を助けに来る前に…。足がないから逃げられなかった」

 

「そうか…。そいつらを見つけ出して全員殺してくる」

 

「ダメよ!あなたは手を汚さないで…。もう私は穢れきってしまったから、そいつらを殺しても無駄なの」

 

「気休めにしかならないかもしれないけど、リリスにマムシの能力を授けるよ」

 

ルシフェルが呪文を詠唱すると、リリスのお腹がポゥッと光り輝きました。

 

「何これ?お腹の中の遺伝子が見えるわ」

 

「うん、僕の遺伝子がどれだかわかるかい?」

 

「うーん、一つだけ何だかとてつもない力を感じる遺伝子があるわ…」

 

「多分それが僕の遺伝子だよ?それ以外の遺伝子は捨ててしまえば良いさ」

 

「これであなたの子供を産めるの?」

 

「そうだよ。僕の子供を産んでくれるかい?」

 

「こんな便利な魔法があったなんて…。知らなかったわ!」

 

「今さっき思い付いて僕が考えた魔法だから、魔導書には載ってないと思うよ」

 

「あなたそんな事も出来るの?本物の天才ね」

 

…つづく

説明
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第225話。
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