聖ビーストテイマー・ナタ227 |
気の弱そうな男は土下座して地面に額を擦り付けています。
「お前はその後もあいつらと仲良くつるんでいただろう?本当にあいつらが悪いと思っていたならあいつらとは縁を切るはずだ!」
「そんな事をしたら私は生きていけなくなります。裏切り者の烙印を捺されて仲間はずれにされて…」
「フン!詭弁だな?お前のような自称善良な極悪人が僕は一番嫌いなんだよ…」
「ただ私はリリスが発見されやすいようにと、リリスの持ち物を目立つところに置いておきました…」
「あれはお前がやったのか?そのおかげでリリスを発見できた。お前の命だけは見逃してやろう」
「ありがとうございます。ルシフェル様」
「ただし、お前に頼みがある。今後もしリリスに手を出したら、こいつらと同じ運命を辿ると触れて回れ」
ルシフェルは槍で串刺しにされてもがいている男たちに回復魔法をかけています。死にかけて息も絶え絶えだった男たちの息遣いが荒くなりました。
「なぜ回復魔法を…。一思いに殺してくれ…」
「死ぬ間際の苦しみを味わい続けろ。ゴミクズどもめ」
酒場の前に集まった野次馬たちはなす術なく見ているだけです。
「お、おい!これヤマ様に報告した方が良くないか?」
「ルシフェル様はヤマ様のお気に入りだよ?このくらいの騒ぎは大目に見るんじゃないかな」
「と言うかヤマ様よりルシフェル様の方が実力は上だろう?なんで天界のエリートが地獄なんかに左遷されたんだ…」
「自分から地獄で働きたいとヤマ様に言って来たそうだ。ヤマ様は二つ返事で了承したようだよ」
返り血を浴びたルシフェルが帰宅すると、リリスはベッドのそばの明かりをつけて驚きます。
「起こしてしまったかい?少し汚れたからシャワーを浴びてくるよ…」
「その返り血はどうしたのよ?」
「いや、大した事はない。全て片付いた」
「まさか、あいつらを殺したの?ルシフェル」
「どうしても許せなかったんだ…。リリスは殺人鬼の僕が怖いかい?」
…つづく
説明 | ||
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第227話。 | ||
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