聖ビーストテイマー・ナタ267
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時間を元に戻して、三年後のルークは魔術師連盟の秘密結社に出勤しました。ウィルスに呼び出されます。

 

「えっ、僕に替え玉受験で第一級魔術師試験を受けろって…。僕はまだ第三級ですし、同じ日程で第二級試験を受けなくてはならないので、お断りします!」

 

「あなたの実力はすでに第一級並ですし、二級くらいなら替え玉の依頼人が受けても通りますので、大丈夫ですよ?」

 

「はぁ…、言ってる事がむちゃくちゃだなぁ」

 

「試験問題は五割以上、正解すると通ります。問題は第一級魔術師が複数で作成していて、試験本番前日に会場に届くので、通常問題を全問正解すれば、通るようになってます」

 

「なるほど、問題の五割は明確な回答がないと第一級魔術師の母から聞いてましたが、それらの問題はフェイクと言う事ですか?」

 

「実質上、五十問全問正解した者しか通らない仕組みですね。あなたの母上のナターシャ・マルヴェールは全問正解していました」

 

「流石、お母さんだな…。でも僕は母ほどの頭脳はないと思うので全問正解する自信はありませんよ」

 

「その為にフェイク問題があるのです。答案用紙を返却する際に合格規定である八十点を超えないように、調整出来ますからね。確かナターシャ・マルヴェールの答案用紙は九十四点で返却されています」

 

「フェイク問題五十問が難しかった…と母は言っていて、その時に間違えた問題を僕に教えてくれたんです。傾向と対策を練る為に…」

 

「間違えた…と言うよりは、百点満点だと周りに怪しまれるので、適当な理由で何問かを不正解にしただけですね…」

 

「母に教わった問題が全く意味がなかったなんて…。母は哲学的な問題や心理的な問題だから第一級魔術師には重要だとか言ってましたけどね」

 

「表向きにはそう言う事にしてありますので」

 

「なんだかここに来て、色々と大人の世界の裏の事情が見えてきました…」

 

「替え玉の件はよろしくお願いします。問題文は流出してる分なら渡せますが、いかがなさいます?」

 

「いえ、流出問題がなくてもなんとかなりますので、必要ありません」

 

「身体交換の薬を調合するので髪の毛を拝借できますか?」

 

「その前に父と相談しても構いませんか?僕はまだ十八歳の子供なので決断力がなくて、父に聞いてから決めたいのです」

 

「ええ、ルシファー様にもこの件については、先ほど話して来ましたので、どうぞ」

 

…つづく

説明
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第267話。
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