聖ビーストテイマー・ナタ273 |
試験当日、試験会場になっている議会場の建物の裏でルークは依頼人が来るのを待っていました。
「ルーク・マルヴェール、久しぶりだな」
「お、お前は…!まさかマキャヴェリが依頼人だったなんて…」
「アカデミーにいた頃はライバルだったな?ミス・アラヴェスタにもなったエレンやジュリーも奪い合ったが、俺の完敗だった…」
「でもマキャヴェリの成績なら第一級魔術師試験は普通に受かるんじゃないか?別に替え玉受験なんかしなくても…」
「俺は一年留年してるだろ?問題を起こし過ぎてさ。父上が金を積んで揉み消してくださったけど、色々とあってね。成績も良くなかったんだが、父上が金で成績も操作してたんだ」
「あっ、そう言えば…!僕より一つ年上じゃないと、第一級魔術師試験には挑めなかったね」
「お前より成績を上にして欲しいって教授たちに頼んだんだけど、お前は回復魔法の実技試験以外全部満点だから、操作出来ないと言われたんだ…」
「うーん、ごめん。他人に興味なさ過ぎて君の悪名の高さも全く知らなかった…。成績がいつも二番目だから名前だけは知ってたんだ」
「エレンをフッたって聞いた時は驚いたよ?チャンスだと思って口説いたが、お前の事が忘れられないと言って堕ちなかった」
「いや、あれは僕がフラれたんだけど…」
「まあどうでも良いさ?お前の体を手に入れたらエレンも簡単に堕ちるだろう」
「出来ればあんまり僕の体を悪用しないで欲しいんだが…」
「薬は持って来たのか?早くしないと試験に遅れてしまう」
「ああ、ここにあるよ。こっちが君の飲む分だから、せーので一気に飲もうか」
ルークとマキャヴェリは同時に薬を飲み干しました。どちらかが飲まなかった場合、飲んだ相手は魂を失って死んでしまうのです。
「それじゃ試験の後にまた会おう!」
マキャヴェリの姿のルークが手を振って去って行くのを、ルークの姿のマキャヴェリがニヤリと笑って見送りました。
「この日が来るのをどれだけ待った事か…。楽しい一日になりそうだ」
試験開始の合図と共にカリカリとペンを走らせる音だけが不気味に響き渡ります。制限時間の半分ほどを過ぎるとマキャヴェリの姿のルークが手を挙げて見張りの教授に当てられました。
「気分転換に外に出ても良いですか?問題は一応、全部解けました…」
「見直しはしましたか?一度退出したら戻れませんが、それでも良ければ行って来なさい…」
…つづく
説明 | ||
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第273話。 | ||
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