聖ビーストテイマー・ナタ274
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マキャヴェリの姿のルークは第二級魔術師試験の会場になってる部屋を廊下から覗き見しました。ルークの姿のマキャヴェリは真面目に試験を受けておらず、欠伸をしています。

 

「ああ、第二級試験に落ちたらどうしよう…。さっきの話だとマキャヴェリの成績は実力ではなかったようだし、六十点以上取れるかもあやしい…」

 

試験が終わるまで中には入れないので、議会場の前にある売店で飲み物を買ってベンチに座って飲みます。

 

「今夜はあいつがローラに何か変な事をしないか心配だ…」

 

カフェオレがただの泥水のようだと思うほどまずいと感じます。

 

「明日の朝までこの体で過ごさなきゃならないなんて地獄だな…。ローラの体になった時はこんなに胃が痛くならなかったのに…」

 

その頃、試験会場のマキャヴェリは手を挙げて見張りの教授に言いました。

 

「ちょっとお腹が痛いのでトイレに行っても良いですか?」

 

「退出後の入室は認められないが、それでも良ければ行きなさい。荷物は忘れないように…」

 

「それじゃこのまま帰っても構いませんか?」

 

「ええ、どうぞ。あなたなら合格は間違いないので、試験結果発表の日にまた会いましょう。ルーク・マルヴェール」

 

マキャヴェリはエレンの働いている占いの館に行きました。一回二千ジェニーですが指名料は千ジェニーなので三千ジェニー支払います。館の奥の狭い個室に二人っきりになりました。ルークの姿のマキャヴェリを見て、エレンはビックリします。

 

「あ、あなたは…ルーク君?久しぶり!」

 

「なかなかセクシーな衣装じゃないか?」

 

「ちょっと露出度が高過ぎて嫌なんだけど、この館の決まりでこれを着なくちゃならなくて、私の趣味じゃないのよ」

 

「よく似合ってるよ?胸の谷間がよく見えて絶景だな」

 

「なんかいつものルーク君と違う気がする…」

 

エレンは水晶玉の中を覗き込むと邪悪な波動が漂っているのが見えました。

 

「そう言えば今日は魔術師試験の日ね。私は二級合格出来そうにないし、試験受けるだけで十万ジェニーだから辞めたの」

 

「ほとんどの奴らは三級までしか受けてないよな」

 

「うん、三級まで取れてたら大体の職業には就けるみたいだからね。占い師も三級なら就けるわ」

 

「一級じゃないと良い医者にはなれない。二級の医者なんて誰も信用しないからな」

 

「あれ?ルーク君は回復魔法が苦手だから医者にはならないって言ってたはずなんだけど…」

 

「そんな事より、エレン。今夜、俺と一緒に宿屋に行かないか?嫁がやらせてくれなくて溜まってるんだ」

 

…つづく

説明
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第274話。
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