聖ビーストテイマー・ナタ325 |
ルークは仕事を上がって、ハンカチに包んでいた白い粉を持ち帰り、ナタに見せました。
「なんだか嫌な感じが漂ってるわね」
「うん、舐めるのは危険な気がする」
「ちょっと成分を分析するわ。顕微鏡はどこに仕舞ったかしら」
ナタが物置にある顕微鏡を持って来て白い粉を分析し始めます。
「これって…惚れ薬かもしれないわ」
「やっぱりそうだったのか…。ウィルスさんが女性を口説く前に飲ませてるらしくてさ」
「前にルークが間違えて飲んじゃったのと同じ薬みたいね」
「あの時はお母さんが解毒剤を作ってくれたけど、念の為に作っておいてよ?」
「解毒剤は目を開ける前なら効くと思うけど、目を開けた後に飲ませても記憶が消されてしまった部分は簡単には取り戻せないわ」
「そっかぁ、確か浮気草の粉末なんだよね?妖精の国にたくさん生えてるけど」
「浮気草にはかなり強力な効果があるわ。解毒剤を飲ませても記憶は戻らないから厄介なのよね」
「こんなものに頼らないと女性も口説けないなんて…」
「アークみたいにプライドが高いと逆にこの手の薬は絶対に使いたがらないけどね」
「僕もこんな薬で言いなりにしても楽しくなさそうだなぁって思ったから、あの時は結局ローラに飲ませるのはやめたんだよ」
「私もおじさんに魅了の術をかけた事があったんだけど、楽しくなかったわ…」
「ウィルスさんが誰にこの薬を飲ませるつもりなのかはわからないけど、その女性の意思を無視して自分のものにしようだなんて間違ってるよ」
「だから惚れ薬は法律で禁止されてるのよ?」
「興味がなくなったら解毒剤飲ませて捨てる気なのかな?」
「記憶を失った人は頭がおかしくなっちゃうのに…。おじさんは精神力が強いから元に戻れたんだけどね」
…つづく
説明 | ||
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第325話。 | ||
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