RXO-5 [MAD TAURUS | 次 |
説明 | ||
機体名:マッド・タウルス 搭乗者:アイン・アマテル ◎機体解説 CC214年10月、世界各地での武力衝突を経て技術復興連盟G.A.Fとの戦力差が明確に現れ始めた反勢力R.V.L.Tは、戦力の増強と温存を第一目標とし活動を続けていた。それに伴い、リベルタの戦力が整うまでの中継ぎ役として新たな部隊が編成された。戦時中、搭乗者に合わせる形で改造が施された特異機体で戦っていた者達で構成されたこの部隊は、第9独立遊撃隊[Ravens]と命名され後に各地の戦闘で名を残すことになった。 本項に記載する“RXO-5 マッド・タウルス”はこの部隊に所属する強襲型FAの1機である。この機体はCC213年10月頃、元防衛機構技師である“リマ・ヒアデス”によって開発されたと記録されている。彼は防衛機構内での特殊兵装開発部の実質的リーダーであり、EXプロジェクトにおける試作兵装開発の殆どに関わりのある人物であった。しかし、地上での戦いが安定し主力機がJXシリーズとなった事でより汎用的な兵装の需要が高まるにつれて彼の技術は有用性を失っていった。周囲から異端として敬遠され始めたリマは現状を憂い、程なくして防衛機構から姿を消した。 彼の失踪から約半年後のCC213年10月、戦況が反撃に転換しつつある中で防衛機構にとっての新たな脅威が北米と南米にて確認された。TCS オシレーターを装備した改良型の“XFA-01 ウェアウルフ・スペクター”である。この無人FAはTCSオシレーターによる強固なエネルギーシールドの向こう側から重火器による砲撃を行い、敵機を近づけることなく殲滅するという戦法をとる。XFA-01自体が歩行での移動を前提とする低機動機体であり、搭載されたオシレーターを防御のみに運用できるため機体稼働時間がNSG-X1と比べ大幅に上昇している。この機体で構成された一個小隊の防衛力は前線基地に匹敵し、アタカマ区・デナリア区両基地攻略の大きな障害になると予想された。しかし、事態は唐突に好転する事になる。同地区に出現した未確認FAによって亡霊達は僅か半月足らずで殲滅されたのだ。戦闘を目撃した兵士達は“並のFA程もある格闘兵装を振り回す巨大な機体が、瞬く間に亡霊達を薙ぎ倒していった”と後に証言している。この巨大な機体こそが防衛機構を去ったリマ技師が作り上げた強襲型FA、RXO-5である。本機はリマ技師が嘗て開発に関わった大型格闘兵装の運用を前提に設計されており、巨大な下半身と高い膂力を持つ腕部を有する。またこれらを支えるフレームの剛性を高めるために体積が増加しており、反比例するように胸部は比較的装甲が薄い。強襲機としてこれは欠点であるが、結果として質量が抑えられる事で機動力が高まり右腕の破城槌によってある程度の砲撃ならば耐えうる事が出来る。 操縦は元防衛機構FAパイロットのアイン・アマテルが務める。彼は実直かつ冷静な判断を行える優秀な兵士であったが、その性格故に上官の反感を買って除隊させられた経験をもつ。除隊後はフリーのFA乗りとして活動していたがリマに誘われる形でコンビを組み、試験中であったRXO-5の実地テストに協力していた。戦闘では理詰めによって確実に敵を追い詰め撃破するが、普段の彼を知らない者達からは機体の風体と敵部隊へ突撃する姿から狂牛の名で呼ばれている。本人はさほど気にはしていないがリマ技師はこの渾名をいたく気に入っており、機体の正式名称とエンブレムにも用いている。 リマとアインは亡霊達の討伐後も地上での活動を主としており、内紛時にはレイヴンズの編成を機にリベルタに参加している。 ◎兵装 ・大型マチェット 「三式破城槌・改」 対重量級FA用に開発された大型の鉈。全長もさることながら、総重量がM-32に匹敵するという規格外武装であり、開発当初はFAではなく自立要塞や局地戦闘用の大型兵器に搭載される予定であった。だがEXプロジェクトの発令に伴いリマ技師主導の下、本武装はFA用に調整されることとなった。計画半ばで技師は防衛機構を去ったが、武装自体は本体の軽量化や斬撃威力上昇用の背部ブースター、サブアームの接続用アタッチメントなど大幅な改良を施すことで完成し、FA用武装としては破格の打撃力とベリルショットを防ぐ程の強靭な耐久力を得た。しかしそれでも機体への負荷は高く、現在のところこの武装を使用できたのは本機と後に開発された四八式のみである。本機に搭載される破城槌は技師が一から設計したものであり、機体に合うよう専用の調整が行われている。更に追加機能として腕部と破城槌が鎖で接続されており、分銅のように振り回すことで攻撃範囲を拡大することができる。 ? ・パイルバンカー 「RW-pb/hc」 左腕に固定された大型のパイルバンカー。射出推力と機体の突進力との相乗効果により驚異的な貫通力を誇る。破城槌が閉所や密林などの戦闘で運用が難しい場合に用いられる補助兵装。また、破城槌は打撃力に優れる反面切断力はさほど高く無く、所謂叩き潰す攻撃により敵機中心部の実体装甲に覆われた中枢ユニットを破壊し損ねる可能性がある。本武装が刺突武器であるのはこの欠点を補うためでもある。杭の先端には返しが付いており、引き戻しの際に敵の装甲を剥ぎ取る、または敵を捕縛したまま持ち上げて簡易な盾として利用するといった運用も可能である。射突杭の上部に搭載されている榴弾砲はリボルビング式のため総弾数が4発と少ないが大口径故に充分な破壊力を有する。突進前の牽制や、刺突後に発射し装甲内部の損傷を拡大させるといった運用が想定されている。至近距離での使用も考慮し、パイルバンカーの軸と先端部は非常に高い強度を持っており他の格闘兵装を受け止めることも可能である。 ? ・パワーアシストアーム 「AM-lp3」 本機の右腕、液体圧力を用いた専用アーム。基礎フレームの関節内部に特殊な液体を使用した圧力装置が取り付けられている。この液体は電流を流すことによって非常に硬質な個体に変化し、液体状態では他の物質と比べ摩擦係数が比較的小さいという特性を持っている。関節内部のシリンダーをこの液体で満たし、各所のケーブルから電流を流すことで驚異的な蓄積量と柔軟な可動範囲を両立した。結果、本機は右腕のみで破城槌の運用が可能となっている。ただし、電流を流してから液体が完全に硬化するまでのタイムラグは近接戦においては大きな隙となるため、本機の戦闘スタイルは一撃離脱が基本である。突撃時、本機は破城槌を盾にしながら進行方向に移動する。したがって、飛来する弾丸やレーザーを逸らす目的で右腕は曲面装甲で覆われている。 ? ・リアクティブアーム 「AM-era4」 本機の左腕、格闘戦時の防御兵装としての運用を想定し肩部を含め腕全体が強化反応装甲で覆われている。この反応装甲は火薬層と火薬層の間に高密度金属片で出来た層があり、通常の反応装甲と同じ運用に加え近接武装を装甲で受け止め爆破、金属片の散布によって武装を破壊する事で敵の攻撃に対処する。後に対ベリル兵器として金属片の代わりに貯水タンクを内包したモデルがM-48Type2に搭載された。また、近接武装の防御の他にパイルバンカーと榴弾砲の運用も前提となっているため、使用時の衝撃を抑えるために可動範囲と引き換えに関節強度も高い。 ? ・チャフロケット 「YFa/cl-6」 頭部両側面に装備された、レーダーによる長距離照準を無力化するチャフを散布する無誘導弾。遠距離攻撃等の精度をある程度低下させる為に用いられる。兵装としては試作段階であったが効果は高く、本機の接敵距離を飛躍的に向上させた。しかし、その効果は味方部隊はおろか自機にまで影響を及ぼし、本機の搭乗者は目視での索敵を余儀なくされていた。後にチャフ対応型レーダーの登場によって本機以外での使用も確認されている。 ? ・鉄片散布型誘導弾 「Fa/cm-9」 リアクティブアームと同様の高密度金属片を内包した中型誘導弾。左腕上部に搭載される。本武装は遠距離攻撃用の兵装ではなくあくまで格闘戦時の補助武装である。破城槌、またはパイルバンカーによる攻撃後の離脱時に敵機の遠視スコープや広域レーダーなどの目を潰す為に用いられる。これは撤退後の残存兵力に対する航空爆撃や砲撃殲滅に際し、敵機からの反撃を防ぐ為の処置である。尚、誘導弾と呼称はされているが本来の機能は無く発射前に予め飛翔経路や炸裂までの時間等を入力することで使用している。よってチャフロケットとの併用も可能である。 ? ・重機関砲 「Fa/gc-R05」 胸部に内蔵されるガトリング砲。両手に固定武装を搭載した本機において、アントや飛翔する誘導弾を攻撃する為の補助兵装である。射角は狭いが本機の巨体に比例して大口径であり威力は高い。 ? ・高加速推進器 「AB-e2」 機体各所に取り付けられた大型の推進器。非常に重い本機に回避能力を持たせる為に加速力を重視し、機体の切り返し速度を速めることで砲撃を掻い潜る。これにより本機は常に不規則な挙動を行うため他機体との連携が難しい。作戦行動において同機のみでの行動が多いのはこれと前述したチャフロケットが原因である。 ? ・エクステンドブースターEX+ 「EXU5-lb」 背部に接続された大型の推進器。EXU-05と同型のものである。進行方向への移動と機体の跳躍に使用される。出力は高いが最高速度到達までの時間が長いため、出撃後は帰還まで基本的に推力を維持したまま戦闘を行う。これ故に、本機の稼働時間は本兵装に依存している。 |
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