連載小説4 |
初日の予定が終わると、後は帰るばかりだ。
私が帰り支度をしていると、隣の教室から楓がやって来た。
「えりか〜、帰ろ?」
「うん、そだねー。木谷さん、また明日ね」
「あ、うん、また明日…」
鞄を手に席を立ったその時、不意に違和感を感じた。
「? あぁ、そっか。えっと、楓、紹介するね。彼女は今日友達にになった、
木谷まりなちゃん。木谷さん、この子は中学からの友達の…」
「佐倉楓。初めまして」
「初めまして…」
違和感の正体は挨拶。さっきまで木谷さんとしゃべってたんだ、
いきなり楓が現れたら、紹介しない違和感も覚えるはず。
「それじゃ、挨拶も済んだし、帰りますか! っとと、木谷さん」
「ん、何?」
そうだ、大事な事を訊くの忘れてた。
「木谷さんて、どの辺に住んでるの?」
「え? あぁ…桜ヶ丘町。分かるかな」
ふむ、桜ヶ丘町か…そんなに遠くはなかったはず。
「なんとなく。ありがとね。じゃ、また明日!」
私は片手を振り上げ、教室を後にした。
「うん、また明日ね。倉橋さん」
〜つづく〜
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第4回 | ||
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