連載小説8 |
念願の休み時間。
ガイダンスは、授業より楽なのは間違いないんだけど…
やっぱ、休み時間には敵わない。
「で? さっきの話だけど、私が古い校則をなくすって、どう言う意味?」
「どうって、明白でしょ。生徒会役員になれば、校則の変更も夢じゃない」
せ、生徒会ぃ? ちょっと待って。
「木谷さん、いくらなんでも新入生は生徒会役員にはなれないでしょ!」
「立候補だけなら、出来るはずよ? つまり、理論上不可能じゃない」
り、理論上って…困ったなぁ。木谷さんの目、ちっとも笑ってない。
「本気? わ、私なんかが当選するはずないじゃん」
「そんなの分かんないじゃん。生徒会役員選挙、秋だよ? それまでに、
そうだなぁ、存在感を示すとか、演説頑張るとか、やりようはあると思うけど?」
い、一年坊主がそんな事して、当選するのか? 私には、自信がない…
「それに、古い校則なんて、別にあってもなくても構わないし…」
「そんなの、一例でしょ。私だって、古い校則になんて執着しないし」
ん? んん? なんか、雲行きが変わって来たぞ?
「じゃあ、何が目的なの?」
「んー、目的っていうか…倉橋さんが講堂で演説してる姿を見てみたいのと、
学校を運営する立場なんて、面白くない?」
私の演説姿と、学校の運営か。
「木谷さん、そういう子だったんだ…なんていうか」
「不純とは思わないように。私は十分な理由だと思うから」
十分不純だと思ったのは、言ってもいいんだろうか…
「で、なんで木谷さんは立候補しようと思わないの?」
「私? 向いてないもの。それに、文学部に没頭する予定だし」
ぶ、部活? 今度は目が別の色に輝きだしたんだけど。
「それじゃあ、私も部活に入るよ」
「それは自由だけど…生徒会の立候補は関係ないしね」
なっ!
木谷さんは、私を生徒会役員に立候補させる気満々だ!
〜つづく〜
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第8回 | ||
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