連載小説15
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私は楓を呼びに、隣のクラスに向かった。

 

「楓ー、いるー?」

 隣のクラスって言うのは、いつまでたっても異国の地だ。これが三年目になれば、クラス替えで知ってる子も増えるはずだから、異国感は減るんだけど…

「お、えりかじゃん。どしたの? こっちから行ったのに」

「いやねー…」

 私は木谷さんの提案を説明した。手短かに言えば大体伝わるから、ありがたい。

「ほうほう。途中まで一緒に帰りたいと。でも、どこまで一緒なのかな」

「さぁ。それは向こうで調査済みなんじゃない? 別にいいよね?」

 楓と木谷さんも、すっかり友達モードだから、気にする所はないはずだ。

「うーん、構わないけど…二人っきりの時間が減っちゃうのはなぁ…」

「ちょ! 楓、誤解を招く発言しないで。ったく…そんなんばっかり…」

 はぁ…

「ま、それは冗談として、私は構わないけど?」

「そっか。じゃあ待ってるから、荷物片付けたら来てね」

 ひらり、と手を振って、自分の教室に戻った。

 

「木谷さーん」

「あ、倉橋さん。どうだった?」

 手でOKサインを作って、楓の了解を伝える。

「こっちに来てくれるから、荷物片付けて待ってよう」

「いやー、楓さんがオッケーしてくれてよかったよ。いやー、楽しみだ」

 全く、どうなるのやら…

 

 

私はちょっと、頭を抱えていた。

 

 

〜つづく〜

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第15回
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